スタッフ日記

2022年06月27日

3年半ぶり(!)の更新です…

皆様、大変お久しぶりの更新で申し訳ありません。福家です。
年単位で久々の更新です…。今後はもう少し頻度を上げて頑張っていきたいと思います。

改めまして…

さて、あまりにも久々ですので改めて自己紹介をさせて頂きます。
私は福家(ふくいえ)と申しまして、ディボ・ディバのホールスタッフとして長く勤めさせて頂いております。
デザートも私が担当しております。猫とロードバイクと紅茶が趣味です。

この2年ほどで色々なことがありました。なかでも印象深いことを近況として書かせていただきます。

骨折しました(そして完治しました)

シェフの身辺雑記でも触れられておりましたが、昨年の春に趣味の自転車で転倒しまして右鎖骨を粉砕骨折、全治6ヶ月の重症を負いました。
ヘルメットと幸運により命に別状はなく、お医者様のおかげで後遺症などが残ることなく完治いたしました。
3ヶ月ほどは右腕が使えませんでしたので仕事の上でも大変でした。通勤もバスで気が滅入りますし…
動かせない時期のほとんどがコロナの緊急事態宣言と重なっていたこと、また、西沢シェフを始め周囲の方々に助けていただきなんとか乗り越えることができました。
ありがとうございます。
ちなみに事故原因は道路工事の不備でこちらに過失はありませんでした。

後日、「事故現場から一番近い」という理由で歩いて行った病院の先生が関西でも屈指の肩関節のスペシャリストだったというのを、お客様から教えていただきました。
手術後の検診の度に「また自転車に乗れますか」「いつから乗れますか」「もう乗ってもいいでしょうか」としつこく尋ねていましたら、「私がいいって言うまで自転車の話はしないでください」と言われてしまいました。
事故から1年と少し経ちましたが今ではすっかり元通りです。本当にありがとうございました!

アレルギーのこと

私は2年ほど前にポーク=キャットシンドロームというややこしいアレルギーを発症しました。
長年の猫の飼育が原因で極まれに起こるアレルギーで、猫の血清アルブミン(タンパク質)と豚のアルブミンの構造が似ているために加熱が不十分な豚肉に反応が出る…というアレルギーです。
人によっては完全に火の通った豚肉や牛肉、あるいは哺乳類の肉全般に反応を示す場合があります。
私の場合は哺乳類すべてに反応が出てしまい牛も豚も羊も食べられなくなりました。

「数十年に渡って猫を飼っている人にまれに起こる」という条件の厳しさから症例が少なく医学的な知見が足りないため、私も判明するまでに時間がかかりました。(通常の血液検査では反応が出ません)
さらに症状も通常のアレルギーのように蕁麻疹がでたり喘息がでたり…という判り易いものではなく、私の場合は慢性の胃腸炎のような微熱感、倦怠感、便秘、下痢、頭痛などが4~5日続きます。
原因の食材があまりにも日常的に摂取し易いものだったため、判明するまでは「極まれに調子の良い日がある」というようなつらい日々を過ごしました。
最終的には豚肉を咀嚼すると頭痛がするようになり「さすがにおかしい」と通院するようになりましたが…診断確定までは紆余曲折あり本当に鬱々とした日々でした。(割愛しますがアレルギーの診断は患者と医師の温度差があったりして双方ともに負担が大きいです)

魚と鶏は食べられる…はずが

アレルギーが判明し豚肉を始め哺乳類を避けるようになって、はっきりと体調が良くなりました。
肉が食べられないのは悲しいけれど、元気な日々はプライスレスです。元気があれば何でもできる。
20歳でこの業界に入り20年…さんざん美味しいもの、珍しいものを頂きました。もう十分です。
肉が食べられなくとも魚や鶏は食べられます。第一、私は肉より魚のほうが好きですから悲観することなんかありません。
出汁の効いたうどんやお寿司、茶碗蒸し…他に美味しいものはたくさんあるんですから。

しかし、また災難が降りかかります。はっきりと自覚したのは去年、骨折で入院しているときでしょうか。
入院の経験がお有りの方はご存知でしょうが、入院時にはアレルギーの有無を書類に記入します。
それによって薬剤の使用や病院の食事が変わってくるわけです。
私の場合は「獣肉アレルギー」ですから日々の食事は当然、魚と鶏になりますね。
初日はサバの塩焼でした。美味しいとは言えませんでしたが入院食はそんなもんです。残さずいただきました。

さて、その日の夜になって蕁麻疹と微熱が出ました。
「明日は全身麻酔で手術なんですから困ります」と看護師さんに怒られました。こっちだって困ります。
朝になってどうにか熱は下がりましたので手術開始…無事に終わりました。
鎖骨以外は健康なので食事は普通に食べます。鶏、魚、魚…、なぜか3日目の朝になって食事が喉を通らなくなりました。
朝はひと口だけ、夜は手をつけられませんでした。出されたものを食べないなんて人生であったっけ??

入院は一週間の予定でしたが強くお願いして、4日目のお昼で退院させて貰いました。
原因はわからないですが食事ができないので仕方がありません。
家に帰って卵かけご飯を食べました。とても美味しかったのを憶えています。

さらば日本食…

退院してから毎日のように蕁麻疹がでるようになりました。
薄々、魚が原因であろうことは気がついてはいたんですが「認めたくない」という心理でしょうか?なかなか病院に足が向きません。
どうやら鶏は大丈夫なようです。しかし、(もはや自覚していたので)なんとなく避けている魚を食べなくとも蕁麻疹が出る日があります。これは一体…?
そんな日々を1ヶ月ほど過ごし、観念して病院へ行きました。

結果は「アニサキスアレルギー」でした。しかもなかなかの重症です。ああ、やっぱりね!
この業界にいると聞こえてくるアニサキスアレルギーの恐怖…ああ、さらばお寿司、さらば茶碗蒸し…
ご存知の方おられるでしょうが、アニサキスはイカや青魚によく見られる寄生虫です。
「じゃあ取り除けばいいじゃない」と思われるでしょうが、症状が進めば交差反応というやつで非常に厄介なことにアニサキスの有無に関わらず「海の生物全体」に反応が出てしまいます。
イカもタコもエビも魚も、悲しいことにかつお出汁も…果ては調理器具に付いた微量の組織や味の染み込んだ土鍋でも反応が出ます。
そりゃ毎日、蕁麻疹出ますよね!

いやあ、これは困った。
一度実践していただければご理解いただけるかと思いますが、甘いお菓子を除いてコンビニやスーパー、外食チェーンの既製品で「獣肉も海産物も一切使っていないもの」を探してみてください。
これは本当に難しい。揚げ油や調理器具まで考えると絶望的です。

爬虫類はいけるのか?

近年になってアニサキスアレルギーが激増しているそうです。
一説には最終宿主であるクジラが増えすぎたせいでアニサキス自体が増えているから…とか。(クジラ→オキアミ→魚類全般・クジラ)しかしアニサキスアレルギーと獣肉アレルギーを同時に発症している人は珍しいんじゃないでしょうか。わはは…はぁ。

まあ、なってしまったものはしょうがないですし鶏や穀物、野菜、それに牛乳はどうやら大丈夫ですので甘いお菓子は食べられます。
最近、「ワニの唐揚げが美味しい」という話を聞いて気になっています。爬虫類は分類上、鳥に近いから大丈夫なんじゃないかと笑

アレルギー食材さえ摂らなければものすごく健康ですよ。自転車が本当に楽しいです。
次回はロードバイクのことが書ければなと思います。
それではまた。

あ、ちなみに猫を飼うのを止めても獣肉アレルギーは治らないそうです。
仮に治るとしても止めるわけないですが。
以下猫画像をお楽しみください。

2年前の冬、暑くてこたつから出て力尽きたところ。

去年の春ごろ、どうにかブサイクに撮れないか頑張った写真。

今年の3月頃、普段あんまりお腹は見せてくれないので撮った。パンツ。

今月の写真。暑いので溶けてきた。

(福家)

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